平安宮内裏に由緒をもつ清涼殿は、9世紀末以降に天皇の日常のお住まいとして定着した御殿であり、内裏正殿の紫宸殿(ししんでん)とともに、宮廷における重要な伝統儀式の舞台とされてきました。豊臣秀吉による天正18年(1590)の内裏造営を契機に、新たな天皇のお住まいとして御常御殿(おつねごてん)が設けられるようになると、清涼殿は儀式専用の御殿として用いられました。